美容外科の手術料はどのようにして決定されるのでしょうか?
患者側からすれば安いに越したことはありません。事実、安さを売りにしたクリニックも多数あります。
我々のクリニックの現状を一部説明しようと思います。
手術料=クリニックの利益+必要経費(材料費、家賃、人件費、広告費)
という式で表されます。クリニックの利益と必要経費を下げれば、手術料はさがるということになります。
[クリニックの利益]
クリニックの儲けを究極に少なくして手術料金を下げることは理論的には可能です。
しかしクリニックを長期的に健全経営のするためには、ある程度の利益も出さなければいけません。
極端に利益を下げることで経営を行っているクリニックは、不測の資金が必要な場合に乗り切れなくなってしまい、しばらくして行ってみたらクリニックがなくなっていたということが起こりうります。
この時直接害を被るのは患者さんです。また、経営が順調でないクリニックは、良いスタッフが集まらなくなり、医療レベルを下げることにもなります。
[材料費]
医薬品や縫合糸、手術に使うはさみやメス、手術器械のコストです。
材料費は削減するにもある程度限界があります。削減しすぎると最新機械が導入できなかったりするために、最新の医療環境が整備できません。
材料費、医療器材費の節約には限界があります。
[家賃、内装費]
駅近の一等地のおしゃれなビルにあるクリニック、内装はあたかもホテルのよう。これだけで患者さんは圧倒されてしまいそのクリニックの技術も最高のものであると思い込んでしまいます。
当然のことですが手術は医師を中心としたスタッフがおこなうものですので、内装とは関係ありません。
ただしあまりに汚いクリニックはスタッフの美的感性を疑います。古くてもきれいに掃除されているレベルなら合格でしょう。
[人件費]
医者は大体同じくらいの給料だと思っている方が多いかもしれません。
これは大きな誤解で、研修医、普通レベルの医師、カリスマ医師ではいずれも給料に大きな開きがあります。給料の低い医師に低料金で上手に手術をやってもらえば患者様の側から見ればこんなに良いことはありません。
しかし給料が低く手術のうまい医師はすぐにほかのクリニックに好条件で引き抜かれますから、現実的にはこの様なことはほとんどありません。特にカリスマ医師はどこのクリニックからも引っ張られますから、残ってもらうためにはメージャリーグにおけるイチローのように能力相当の年俸を提示する必要があります。
ですから人件費を削減することは医療レベルを下がることに直結します。
[広告費]
技術はあっても、そのことを伝えないと患者さんは来てくれませんので、クリニックの経営上広告費は多少必要です。しかし大きな広告は手術料の高騰となって返ってきます。
一流モデル、大物芸能人の広告起用はクリニックのイメージアップとしてはいいのかもしれませんが、モデルや芸能人のギャラは、患者が負担する手術料の一部であるということに留意しなければなりません。
必要経費をバランスよく削減することにより低料金で手術を提供することができるのです。華やかに見える美容業界の裏では厳しい企業努力も行われています。